他の会社の弟子だった俺。
そんな俺を可愛がり大人にしてくれたおっさんってあだ名の一人親方。
現場ではいつも俺からタバコをもらってたね。
丁度、去年の今頃、病院のベッドから最後のサクラを見たね。
そんなおっさんは肺がんだった。
おっさんが死んだみたいって連絡来た時は嘘だと思ったけど現場から帰って来て家に電話したら知らないおばさんが電話に出た。
60過ぎの一人暮らしなのに知らない人が電話に出ただけで泣いてしまった。
その日の夜に世話になった職人達と家を訪ねた。
泣いてどおしようもない俺を回りのおばさん達は「あんたかぁ〜聞いてるよ。あんたには世話になったねぇ」って。
おっさんは俺を自分の子供の様に親戚達に紹介してたみたいだった。
通や、葬式までは泣いた俺、火葬の時は泣けなかった。
納骨の時はおっさんの子供も扱いしてもらったよ。
後少しで一周忌、七夕の次の日は皆で集まるからね。
あれから俺は成長してますか?
おっさんの後を継いでしてる会社とも仲良くやってるよ。
たまに遊びに来てるの俺は知ってるよ。
俺の作業服にあんなに綺麗な白髪が付いてるからね。
今年からは笑って遊びに来てね。