ふと昔飼っていた犬のこと思い出しました。
そいつがやってきたのは僕が幼稚園時。
遠足の時にダンボール箱に捨てられていた。
遠足から帰ると急いで母ちゃんに、可哀相だから拾いに行こうよと言った。
母ちゃんは、動物が好きだから喜んで拾いにいった。
そこにはプルプル震える生まれたての子犬が僕らを見ていて「くーんくーん 」とミルクを欲しそうに鳴いてました。
家に連れてきて買ってきた牛乳を温めて飲ませたら、プルプル震えた体は収まって寝てました。
それが僕と柴犬ジャッキー(オス)との出会いでした。
オヤジは犬を飼うのは反対だった。
だれが世話をするとか、最初だけだそんなの!
とか言っていて。
オヤジは、『俺は世話しないぞって!』言っていた。
でも何だかんだ言って、オヤジが一番世話をしていた。
朝早くから散歩。夜にエサを与えていた。
そんなオヤジの姿を見て
動物好きじゃんと思い。そんなオヤジがちょっぴり好きになりました。
それからは、ばあちゃん家やキャンプに行くのにもジャッキーを連れて行くようになりました。
ジャッキーは元気に辺りを走り回りました。
そんなジャッキーを見てると、めちゃくちゃ元気で
こいつは『すげぇ人生、イヤ!?犬生楽しんでいるやん』って思いました。
楽しそうだった…
僕がめっちゃ、へこんで酔っ払ってジャッキーに話しかけたら、『フゥ〜ん』って相づちうってくれたり。
顔をペロペロ舐めてくれた。
そんなジャッキーが元気が無くなっていったのは、
僕が20歳に成ったばかりの頃だった。
もう考えれば15年もジャッキーは、生きている。
犬にしてみれば長老だよね。
ジャッキーは、日を追うことに
あまり動かなくなってきた。
動くときは、ご飯の時か用を足すときだ。
僕はそんなジャッキーを見てると悲しくなった。
人間は15歳なら思春期真っ只中なのに犬は、もうおじいさんじゃん。
犬って短いんだなぁって思った…
僕はその頃、実家から出てアパートで、一人暮らしをしていた。
突然オヤジから、電話が、掛かってきた。
内容は、ジャッキーが、
今死んだ。っていう電話だった。
オヤジの話では
ジャッキーが珍しく
吠えまくっていたと聞いた。
体が痛いんだろう。
毛布の上に横たわっているジャッキーを
オヤジが体をさすって、
痛みを少しでも和らげて、あげた。
オヤジが家の中に入ってから数分後…
ジャッキーがリビングの方を向いて…
遠吠えをした。
それが最後のジャッキーの声やった。
きっと最後に家族みんなに
『さよなら』
を言いたかったんやなって思います。
家族バラバラやったから、大きな声で知らせたかったんやなぁ。
そのあと僕は実家に駆けつけてジャッキーの冷たくなった体を抱きしめました。
『辛かったね。痛かったやろ。』
『オレ、ジャッキーと思い出いっぱいやぞ!』
『絶対忘れんぞ!』
『今までありがとう。』
めっちゃ泣いた。
思えば初めて飼った動物だった、
そして、僕にとっての。
出来の悪い弟でした。
忘れない思い出です。