泣けるような話しではないけれど…
私には逢ってみたいネコがいます。
そのネコの名前はフジくん。
私の父が小学生の時飼っていたネコです。
父とフジくんは仲良しでいつも遊んでいたんだって。
黒と白の毛色のフジくん。
喧嘩が苦手だったフジくん。
ネコ同士の喧嘩に負けてキ○タマ食いちぎられて父から片キ○フジくんなんて呼ばれていたフジくん。
父がヒモを付けて散歩するほど可愛いがられていたフジくん。
不思議なネコのフジくん。
父の帰りが遅かろうが早かろうが必ず10分ほど前にはいつもの場所で待っていたフジくん。
でも、別れは突然だった。
父の実家を改築した後、フジくんはどこかへ行ってしまったらしい。
「犬は人につくけど、ネコは家につくから仕方ない」
父はそうに言っていました。
でも、本当はすごく淋しかったんだろうなって思います。
今でも父はネコが大好き。
フジくんに似たネコをみると顔が緩みます。
ねぇ、フジくん。
あなたはどこへ行ってしまったの?