あの日、どうして逢いにいけなかったんだろう。。
逢いにいけなかったんじゃない、逢いにいかなかっただ。。
あたしが三歳の時、ペットショップへ行ったあたしとお父さんがあなたを選んだんじゃなくて、あなたが私たちを選んだんだよね。。
私が小学2年生のころ、3時に小学校まで私を一人で迎えに来てくれたね。。
けがをして泣いていた私の隣にずっと座っていてくれたね。
具合が悪いからお父さんたちに病院に連れていかれて、私が学校から帰った時にはいつも私を迎えてくれたあなたは家にいなかったね。
心臓が悪かったんだね。知らなかった。
しかも死んじゃうかもしれないって。。
受け止められるはずないじゃん。。
あんなに元気だったのに。。
あの日。。午後に用事があってお見舞いに行けない姉と妹が午前中に会いに行き、具合は良かったと聞いて安心した。
午後、両親とともに逢いに行ってあなたの姿を見てびっくりしたよ。。。
あたしの手から餌を食べる姿もいつもと違い、ぐったりしてた。。
獣医にお父さんが呼ばれ、どうしたの?と尋ねると。。。
今夜は、危ない″
何それ。。。?
元気だったんじゃないの??
まだ子供のあたしには理解できなかった。。
その日の夜、電話がきた。。
お父さんはあわてて出かける用意をし始めた。。
その横で、お母さんが泣いていた。。
「ゆりの意識が…」
涙がこぼれ落ちた。。。
それから20分ほどたってからお父さんから電話がかかってきた。
―ユリが、、、しんじゃったよ―
家に帰ってきたユリは段ボール箱に入っていた。。
寝ているようにしか見えない。
どうして。。。いっちゃたの?
元気な姿、見たかったよ。。。
もう学校にも迎えに来てくれないの????
あの日午前中に逢いに行ってれば、少しは運命が変わっていたのかな???
ユリ。。元気にしてますか??
そっちでおもっきり走っていますか???
逢いたいよ。。
でも、あと何十年かそこで待っててね?
おばあちゃんになったら逢いに行くから。。