聞いた古い話だ
うちには
猫がいた
ほとんど黒猫だ
捨て猫だった
うちの親は捨てられている生き物をやたらと拾ってくる悪癖があった
山奥にある広い家だったから、幸い飼えなくなるようなことは無かった
猫は
生意気で、私をひっかくことが楽しみ、な嫌な猫だった
猫は
子供がいなかった
いや、出来なかった
だからだろうか
またまた拾われてきた子犬を
やたらに可愛いがっていた
犬を触ろうとすると威嚇された
たぶん子供だと思ったんだろう
そんな猫は
他にも色んな生き物の母だった
馬?だとか
兎?だとか
亀とか鳥
鯨…
…いや鯨は無いか(;´Д⊂)
そんな猫は
わたし以外には大人気
わたし以外は大好きだった(ただし人間を除く)
何年かして
猫はよくふらふらと外に行くようになった
ご飯も残す
変だな、とは思ったが年も年だし
仕方ないか、と思った
その日の夜
何かの気配で目を覚ました
枕元には猫が
珍しいな、と思って眺めていたら
顔を舐められた
なんだかこそばゆ感じがして
逃げていたら
猫はそのまま部屋を出て行った
また眠くなってきて、寝ようとした時
外からも中からも
家に居る全ての動物が鳴き始めた
びっくりして一階へ降りていくと
居間の隅で冷たくなった猫を見つけた
その間
すっかり母より大きくなった子供達は
ずっと鳴き続けた
翌朝
猫を埋めに行った
すこし離れた丘のような場所に埋めた
いまでも
彼女の子供達はそこを通ると
悲しげな声で鳴きます
母と子に血の繋がりはなくとも
心で繋がっているのかな、と
ずぅっと昔の不思議な話でした
いい話しですね。
種は違えど家族は家族ですね。
凄く感動しました。
ぐっときたで
( ┰_┰)