私の親友
私が幼稚園に通ってた頃、１匹の犬が家にやってきた。私は昔のことなのでその時のことはあまり覚えていない。でも私と兄で面倒を見るから飼いたいと頼み込んだらしい。
ある時兄の友達にいじめられることがあった。それがきっかけで人間を恐がり知らない人には噛み付くようになった。私も実際噛まれたこともある。
それでもやっぱし家族だと思ってくれたのか私たちはどんどん仲良くなって一緒に成長していった。
中学、高校に上がると部活が忙しく散歩にいく暇もなかった。もっと一緒にいけばよかったな。
私が高１の終わりの頃もうずいぶんおじいちゃんになり散歩にいくたんびに倒れてしまうと母に聞いて私はとても心配していた。
病院に連れていくと心臓の病気にかかっていることがわかった。毎日たくさんの薬をのむ生活が続いた。ぐったりしていても名前を呼ぶと尻尾を降るし、手を出すと握手もしてくれた。
そんな状態が一ヶ月くらい続いていた。
私が部活の大会の日の朝、いつものようにぐったりしていたが手を出すと弱々しく握手をしてくれた。いってきますと声をかけ家を出た。
試合に勝ちテンションの上がってる私は帰りの車の中で部活仲間と盛り上がっていた。友達と別れた後も興奮がさめなかった。
その時、突然母の口から信じられない言葉をきいた。
「死んじゃったよ…」
最初まったく意味が理解できなかった。心のどこかでは覚悟していたことだけどそう簡単には受け入れることができなかった。
もう死んでしまったんだ。大事な家族の１人がいなくなってしまったんだ。
家に着くといつものベットに横たわっていた。楽になった顔をしていた。最近は見るからに辛そうだったからな。
触ってみるともう冷たくなっていた。すごく硬かった。今でもその触れた感じを覚えている。
いつも握手してくれた手も曲がらない。
母から聞いた話では私が家を出た後はまったく動けなかったらしい。母には握手をしてくれなかったと。最後の力を振り絞って、試合がある私に心配かけまいと握手をして見送ってくれたのだと。それを聞いて私は更に泣いた。
次の日火葬場に連れていかれるときの別れは辛かった。
今度生まれ変わったらまた絶対に出会えるよね。
今でも大好きです。
私の１番の親友
