泣ける話
忘れない

投稿者: 美憂
^ 2009/01/20 15:55

 
 
私の大好きだった
愛犬ウルフ
 
幼い頃から
ずっと一緒だった
 
毎日散歩に行った
毎日一緒に遊んだ
たまに喧嘩もした

家に誰もいない時
お前だけが私の側にいてくれた
 
泣いている時は
一生懸命に涙を舐めてくれた
 
 
でも...
 
お前はもう此処にいない
 
 
今でも鮮明に覚えている
 
お前が死んだあの日を
 
 
もう歳なのは分かっていた
 
日に日に体力が衰え
 
歩けなくなるお前
 
抱えてやらないと
ご飯も食べれない
 
体は小刻みに震え
やせ細っていく
 
目やにが溜まり
目も開けれない状態
 
耳も遠くなっていた
 
私はただ体を撫でてやり
声を掛ける事しか出来ない
 
私は言い続けた
「大丈夫だよウルフ。絶対死なないよ」と
 
 
でも...命とは儚いものだ
 
 
その日の夕方
私は母と買い物に行った
 
買い物に出掛ける前
私はウルフに
「行ってくるね」と声を掛けた
 
その時ウルフから
『ピクッ』と反応が有ったので
私は安心して出掛けた
 
 
買い物から帰ると
私はまたウルフに声を掛けた
 
 
しかし...
ウルフがその声に応えることはなかった
 
 
体が冷たかった
私が出掛けていた数時間の間に
ウルフは死んでしまった
 
私は自分を責めた
『何で傍に居てやれなかったんだろう』と
 
その時母が言った
「あんたがあの時声を掛けたから
 ウルフは反応したんだよ
 ウルフはあんたの声聞いて
 安心しちゃったんだね」と
 
それはあまりにも悲しく
でも何故か嬉しいと感じた
 
 
ウルフは近所にある
桜の木の下に埋められた
 
段ボールに入れられたウルフの首に
ネックレスを掛け
その中に写真も入れた
 
そしてもう1度優しく撫でてやった
 
母も父もウルフを撫でた
 
その時
滅多に泣かない母は泣いていた
 
父の涙もその時初めて見た
 
 
 
ウルフ
みんなは大丈夫だよ
 
だってお前に
沢山の幸せを貰ったから
 
だから....
天国で安らかに眠って下さい
 
ありがとウルフ
家族みんなは
お前が大好きだよ
 

 


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