君だけ/自作歌詞②

君だけ

Ｃ
7/21-12:32

『多くは望まなかった』
言い訳にしかならない言葉
小さかったわたしは君を困らせてばかりで、思い出す君の顔は困った顔ばかりで。

『けど、大好きだよ』
いつも傍にいて、時々叱って、優しくしてくれて、甘やかしてくれた君のことを、忘れないから。

『――君にぜんぶあげる』
怒った顔、笑った顔、悲しむ顔、今も鮮やかに思い出せるのに。
目の前の君はただ押し黙って、目を閉じて冷たいまま。
触れた指先が氷のようで、わたしはそっと、手を離した。

『永遠なんて』
望めない言葉
君が歳をとる度にわたしも歳をとって、どんどん老いていく君に、冷たくなるわたしに、君はただ困ったように笑うだけで。

『一生忘れない』
言えない。言えるはずない。
君をどれだけ愛して、大切だと思っていたなんて。
だから、今はただ、忘れないとだけ言わせて

『――君を幸せにするよ』
あの時怒ってくれたこと、抱き締めてくれたこと、愛してくれたこと。今になって馬鹿みたいに蘇るのに、泣くわたしに、君はただ何も言わず眠っているだけ。

どれだけの後悔と祈りを捧げればまた君に出会えるの？
君のいない世界は寂しくて、こんなにも息苦しいのに。
こんな馬鹿なわたしを、あなたは何と言うのだろう。

『――ごめんね』
最後の言葉を言うね。
ずっと困らせてばかりでごめんね、ずっと甘えててごめんね、ずっと頼ってばかりでごめんね。
大人になったわたしは、君のことを思い出して悔やむばかりだけど、それでも前に進むよ。
冷たくなった指先を、今度は離さないと誓うから―――
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N04A

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