ただ愛してた。
みーく。
^5/12-15:04
さようならを言うのは案外簡単だった気がする。
君の泣き顔を見るのはもう、一生ないのだと思うと胸の痛みは消えていく。
それが麻痺していく感覚なのだと、気付いて何故だか笑えた。
『あなたは何もわかってない』
泣き腫らした目がぼくを見る。
濡れた瞳、猫のようで。
抱き締めたかったのに、キスをしてしまいたかったのに、腕を通り抜けていく君を、手放したのは僕の方。
雨の中を消えていく君の背中が、瞼の裏に焼き付いて離れない。
愛してるよというのは最初から最後まで難しかった。
君を想う気持ちは本当だったのに、今はただ胸に停滞する痛みに耐えきれなくて手放す。
ぼくはただ、君を愛して泣いていただけなのに。
『傷つけて欲しかったのに』
痛みすら愛だという。
君の声は、ぼくを切り裂く。
どんなナイフよりも鋭く、どんな銃弾よりも速く、君の声はぼくを切り裂き射ぬいた。
傷つけて欲しかったのは、手放したかったのは、紛れもなくぼくだったのに。
君を傷つけて残ったのは、君への行き場のない想いだけ。
ぼくにも、君を愛した傷を残して欲しかったのに。
『きみが好き』
『愛してる』
『だいすきだよ』
『傷もぜんぶ、嬉しい』
笑う君が憎たらしい。
ただただ募るだけの愛しさを残して君は、逃げていく。
この先誰も愛せないだなんて、誰が言えようか。
ぼくには、君を愛した傷もなにもないのに。
卑怯だね、とぼくが言う。
きみが笑う。可愛らしく笑う。
残酷に、キスをする。
IDL6/iOjDuuXg
N02A
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□@カキコミをする
[1]名無し
^6/7-01:19
すごく、良かったです。
今の自分と重ねてしまって
感動しました(´・-・`)
ID75zP.xZLdw.
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