第二章〜テディベア〜
メリーシープ
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僕と彼女が付き合うまで時間はかからなかった。
同じ映画好きで、何と聞く音楽の種類までも同じだったんだ。
僕達はジャパニーズパンクロックが大好きなんだ。ギターとベースとドラムが奏でる音楽は、元気をくれたり時には切なくしてくれる。
地球には60億人もの人がいて、その中で同じ趣味で同じ価値観の人に出会えた。
僕は彼女を運命の人だと思ったんだ。
赤い糸なんて、全く信じていなかったけれど、あの時は本当に存在すると思った。
そんな事考えてしまうぐらい彼女に夢中になっていた。
僕には勿体ないくらい可愛くて、元気で明るく優しい心を持っている彼女。
そんな彼女の大切な人になれた僕は幸せだ。一生この人を守っていきたいと思ったよ。
僕には夢がある。その夢を叶える事は、とても難しいけれど、難しいからこそ叶える価値がある。
その夢を掴んで彼女を幸せに出来た時、僕はこの世に未練は無いだろう。
彼女との毎日は、とても幸せだった。
色々な映画を見て2人で笑ったり泣いたりした。ゲームをやって負けた僕はムキになって、そんな姿を見て笑われたり、記念日には2人で何処か出かけたりした。
普通の何でもない事さえも幸せに感じてしまう。
元カノに浮気されて、女性不信になっていた僕の心のバンソコーは少しずつ少しずつ剥がれていった。
でも、一つだけ恐かった事があった。浮気をされたらどうしよう?って気持ちが心の隅っこにあった。
この子は絶対にそんな事しないから大丈夫って自分自身に言い聞かせてはいたんだけれど、ふと考えてしまう。
こんな想いを彼女には言えなかった。
でも、彼女と過ごしていく内にそんな考えも徐々に薄れていった。
彼女の誕生日の近い付いた日。
僕は誕生日プレゼントを何あげようか考えていた。
僕は高価な物を貰う+あげるのがとても苦手。
高価な物よりも、気持ちの詰まったプレゼントをあげたい。
どうしようかなと考えていた時、フッと頭によぎった。
前に彼女とデートをした時、一台のガチャガチャの前で止まった。
ガチャガチャの中身は、10種類の色があるテディベアで、可愛いと彼女は気に入って3回やって3種類のテディベアを手に入れてた。
全種類揃えたいなと、あの時言っていた事を思い出してガチャガチャの置いてある店に向かった。
残り7種類、全部揃えてあげようとガチャガチャを回してみたものの、色がダブってしまい、あと一歩の所で中々揃ってくれない。
それでも、彼女の笑顔を見たいと思いガチャガチャを回し続けた。
そして、誕生日の前日。
彼女がバイトを終えて僕の家に来てまったり過ごしている内に誕生日まで5分前となった。
僕は少し意地悪して、誕生日プレゼント用意出来なかったわ〜ごめんね!なんて冗談半分で言ったら
『気にしないで。一緒にいれるだけで幸せだから』なんて何処まで心が優しい子なんだよ全く。
0時。彼女の携帯にメールが来た。その内容は、誕生日にメッセージを送れるようにしていた僕からのメール。
『誕生日おめでとう!机の下を見なさい』
彼女はメールにしたがって机の下を見るとプレゼントが置いてあった。
コジャレたケースの中身を開けたら、残り7種類のテディベアと手紙。
『こんな安い物しかあげれなくてごめんね。ほら、前に全種類欲しいって言ってただろ。だから揃えたよ』
って言ったら彼女は大泣きした。
喜んでもらえて本当に嬉しかった。本当に幸せだった。
『大好き』と言って抱きしめてくれたね。
本当に幸せだと感じてたよ。
でも、一瞬見せた悲しい顔の意味があの時の僕にはわからなかったよ。
2人の幸せは、もうすぐ終わろうとしていた。
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