共に過ごした春はもう来ない
アルテ
^8/29-02:46
皆さんが投稿された悲しくて素敵な恋の話しを読んだら何故か君の事を思い出したんだ。
手入れのされていない黒髪、使いふるされたヨレヨレのシャツ。
高校にも進学せず、父親の変わりに家族を養う君だったね。
家族の話をする君はとても楽しそうで、父親の話をする君はとても哀しそうだった。
そんな君がいなくなってしまったのは今年の春だったね。
私がそれを知ったのは、それから二ヶ月後の六月だったんだよ。
君があんな手紙を私によこすから…
さよならよりも
いつもみたいに
またね、が良いね。
沢山、伝えたい事があるんだけど今はこれだけ伝えたいんだ。
同封されていた小さなメモ帳には私への想いが綴られていたんだ。
死ぬと決められた僕に好きと伝えられたら困りますか?
死ぬ直前に貴女を想って良いですか?
黒髪が好きだったね。
だけど、髪が無くなった僕が好きと伝えたら気持ち悪いですか?
連絡をしなかったのは貴女に僕の姿を見られたくなかったからです。
怒りんぼうの貴女は許してくれないでしょうね。
ごめんなさい。
だけど、貴女に姿を見られて気持ち悪いと思われるのが何より嫌だった。
貴女に逢って生きていたいと感じるのが何よりも怖かった。
死ぬのは嫌です。
今更、気持ちを伝えてごめん。
これを読んで貴女が泣いたらなら僕は最悪な手紙を残して死んだんだよね。
でも、貴女の心に僕が残るのなら、と考えてしまう汚い僕がいる。
やっぱり、またねより
さよならの方がいいね。
さよなら。
僕の大切な人。
どうか泣かないで。
ごめん。
ごめん。
さようなら。
後に彼の実家へお線香をあげに伺いました。
仕事からの疲れか電車内でうたた寝をしてしまったのですが彼が
降りる駅だよ。
と夢に出てきてくれた気が………
彼の実家に伺ったら遺影と同じ笑顔の彼がいたんだ。
多分、寝過ごす私を起こしてくれたんだな………笑
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