ウソつき1
ウィーザード
^8/24-01:08
※この話はフィクションです。
ある年の5月最終の日曜日に、男は国道41号線を富山から南へと車を走らせていた。この日、東京(府中)競馬場でG1クラシックレースの一つ「日本ダービー」が開催される。競馬好きの男はそのために朝5時に起きて、快晴氓フ中、クーラーをつけて運転していた。男の車は坂道でエンジンがため息をつくぐらいのおんぼろ車だが、男はかなり気に入っているらしい。41号線を左折して平湯温泉恤向に向かい、安房トンネルをくぐり、松本インターチェンジから高速道路に乗った。途中、諏訪湖サービスエリアに立ち寄った。そのサービスエリアで男は裸足の天使に出逢った。初夏の太陽氓ヘアスファルトを焦がし、天使はつま先立ちをしていた。男は車にのせてあった、サンダルを片手に天使に近づいて行った。
男「もし、良かったらこのサンダルはきます?」
男は天使にサンダルをわたした。天使はちょっと大きいサンダルを履き、ペタペタさせて言った。
天使「きったないサンダル浴v
天使が悪魔になった。男はカチン。ときて、その場を立ち去ろうとした。
悪魔「ねぇ、今からどこ行くの?」
男「んっ、府中競馬場。」
悪魔「財布も携帯もなくって、困ってるの欄r中で横浜よらない?」
男「なんで、府中競馬場に行くのに、途中、横浜に行くんだよ。」
悪魔「じゃ、どっか途中まででいいから浴v
さすがに、ほっとく訳にいかないので、男は思わずこう言ってしまった。
男「じゃ…、八王子までな。」
悪魔は車の助手席に座り、男は再び運転した。しばらく車内には気まずい空気が流れていた。悪魔は重い沈黙をいやがり、話を切り出した。
悪魔「あなた…、名前は?」
男「まさし…、政治の政に歴史の史。」
悪魔「政史って、微妙じゃない?」
政史「微妙ってなんだよ。じゃ、名前は?」
悪魔「さゆり、ひらがなでね。」
政史「んっ…、いい名前だな。」
さゆり「うん…、ありがとう。」
少し空気が和んだ。
政史「ところで、なんであんな所で裸足で立ってたの?」
さゆり「彼氏と旅行で上高地まで行った帰りに、ケンカして、そのまま、あそこで下ろされたの。彼氏はそのままブーンって洛g帯も財布もカバンの中だから、彼氏の車の中…浴v
政史「で、なんで裸足なの?」
さゆり「彼氏の車、土足禁止なの。靴も車の中ノ」
政史「プッ附。時、ドキンしてる奴いるの?」
さゆり「彼氏は綺麗好きなの。って言うか、この車乗り心地悪くない?」
政史「うるさいなー。じゃ、彼氏はどんな車乗ってるんだよ磨v
さゆり「よくわからないけど、外車。」
政史「えっ、君の彼氏は仕事、何してるの?」
さゆり「お父さんが横浜で貿易会社の社長してて、そこの専務?常務?よくわからない。」
政史「ぼんぼんか。俺の同世代の奴はみんなこれくらいの車に乗ってるんだよ。でも、普通はもっといい車乗ってるかネとにかく、八王子までだからな。」
さゆり「わかってるって。」
再び空気が重苦しく、よどんだ。しばらくして、八王子につき、八王子インターチェンジでおり、料金所の手前の道で車を止めた。政史は自分の携帯をさゆりに渡した。
政史「この携帯で彼氏に電話しな。」
さゆり「彼氏の番号おぼてないよネ」
政史「えっ、おぼてないの?」
さゆり「だって、携帯に記憶してあるから、おぼえる必要がないでしょ。」
政史「…じゃ、自分の携帯に電話しな。自分の番号ならおぼえてるだろ。」
さゆり「あっ、そっか。」
さゆりはちょっと離れた場所で電話して、少しして、言い争いになり、再びペタペタとサンダルをならして車に近づいてきた。政史は助手席のウィンドーを全開にした。
政史「で、どうなった?」
さゆり「『今、どこにいるの?』って。だから『八王子。』って。」
政史「それで。」
さゆり「『どうして、そんな所に』って。だから『知らない男の人に送ってもらったの』って。」
政史「それで。」
さゆり「怒って、切られたノあいつ、あのサービスエリアに戻って、必死に私のこと探したみたい。」
政史「それはそうだろう。怒らない男はいないだろう。」
さゆり「どうしよう浴v
政史「約束通り、八王子まで送ったからな。俺はこのまま、競馬場に行くからな。」
さゆり「もういい。歩いて帰るノ」
さゆりは携帯電話を車内に投げつけ、サンダルをペタペタならして速歩きで前に進んだ。
政史「…たっく、八王子から横浜まで何キロあると思ってるんだよ。」
政史は少し前に車を進ませ、ちょっと、さゆりを追い越して止めた。そして、さゆりに話しかけた。
政史「送ってってやるよ。乗りな。」
さゆり「いい。歩いて帰るノ」
さゆりはそのままサンダルをペタペタならして、速歩きで車を追い越して行った。
政史「ったく、めんどうくさい、女だなー。」
政史は再び少し前に車を進ませ、ちょっと、さゆりを追い越して止めた。そして、再びさゆりに話しかけた。
政史「君の履いているサンダルさー、俺の大切な人との思い出の品なんだ。多分、横浜に着く頃にはボロボロだよなー。」
さゆりはピタリと足を止め、車の方に近づき、助手席のドアを開け、そっぽを向いてすわった。
さゆり「仕方ないなー、乗ってってあげるノ」
政史は助手席のウィンドーを閉めて車を前に進ませた。車の中はまだ重い沈黙のままだった。料金所を出て国道16号線を南に下り、途中ガソリンスタンドにより、給油した。二人は車を降りた。さゆりはそのまま助手席に戻り、政史は冷えた缶ジュースを2本買って運転席に座った。
政史「ジュース飲む?」
さゆり「…。」
さゆりは無視をした。政史はジュースホルダーに缶ジュースを2本並べておいて、ガソリンスタンドを出た。政史はすこしして、缶ジュースをプシュっと開け、ゴクゴク飲みだした。
政史「やー、冷えたジュースはうまいなーマ」
さゆり「…。」
無言のまま、さゆりも缶ジュースをプシュっと開けゴクゴクと飲み出した。さらに国道16号線を南へと下った。横浜市街地の中に入り、山下公園の近くで車を止めた。さゆりは無言のままドアを開けて、車を降りた。政史は助手席のウィンドーを全開にした。
政史「じゃーな、気をつけて帰れよ。」
さゆり「…。」
政史は助手席のウィンドーを閉めた。半分ぐらい閉まった所で、さゆりが叫んだ。
さゆり「あーゥ」
政史「何?」
さゆり「電車で帰るから、お金貸してよ。」
政史「何かと思えば、金貸せかよ。これくらいあれば足りるだろう。」
政史は財布から3千円取り出して、ウィンドー越しにさゆりに渡した。
政史「じゃーな。」
さゆり「あーゥ」
政史「今度は、なんだよ。」
さゆり「ありがとう。本当は横浜まで無事に着くか不安だったんだ。お金まで貸してくれて…。」
政史「…いいよ。気にするなよ普v
さゆり「あっ、そうだ。このサンダル返さなきゃね。大切な物なんでしょ。」
政史「へっ浮れウソだよ。だいたい、そんな汚いサンダルが大切なわけないだろう。」
さゆり「もーう。ウソつきノ」
政史「今度は、本当にじゃーな普v
政史はウィンドーを閉めて、車を進めた。政史はさゆりが最後に「ありがとう。」と言った顔が女神のように思えた。車は真っ直ぐ、富山へ向かった。
続く…。
IDcNYafR9hWW.
P904i
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□@カキコミをする
[1]たいち
^8/24-06:42
続き早く知りたいわぁ抱
ID4Kg1uu6AxAM
N904i
[2]名無し
^8/24-09:05
話作るの上手☆気に入ったp(^^)q
IDCeVy7Q9qSnY
SH904i
[3]ウィーザード
^8/24-11:37
話を読んでくれてありがとう。作者です。この話はストーリーが出来上がってるけど、細かい部分は決めてないんだ。でも、この話、泣けないよね。続きも読んでくださいね。
IDcNYafR9hWW.
P904i
[4]ウィーザード
^8/27-11:57
作者です。わかってるとは思いますけど、知らない人の車に乗らないようにしましょうヌ
IDcNYafR9hWW.
P904i
[5]か
^9/4-00:54
ヒ
IDKmpWkG8RueQ
SH906i
[6]ウィーザード
^9/10-14:54
作者です。読まれたかた、必ず感想を書き込みお願いします。一言、「つまらない。」でもいいので。今後の作品の参考にします。
IDcNYafR9hWW.
P904i
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