キャラメル 中
西野
^11/14-00:53
高校に入った後に、別の彼女が出来た。ユカという人だった。
ユカと僕は家が近かったため、しょっちゅう遊んでいた
そして遊んだ日は家まで送っていくのが常だった。
その日もユカの家に着くと、時間があったのでコタツに入ってしゃべっていた。
ふとユカが僕の隣に座り、肩に頭を置き、僕を見た。
見つめ合ったまま長い沈黙の後、二人は口づけた。
そしてその日、
僕らは大人になった。
外は枯れそうな木が11月の風に吹かれていた。
それからも二人はクリスマスやバレンタインなど、楽しく過ごした。
ユカが本当に好きだった。ユカがいればどこへでもいけると本気で思っていた
しかし、急にユカが冷たい態度を見せるようになった。
冷たいというか、いつもの楽しそうな表情がなかった。
悪い予想ほど当たるものだが、ある日ユカから電話で「別れよう」といわれた。
僕のユカに対して何も不満を言わないことが、逆に彼女を不安にさせたという。
僕は泣いた。こんなにも悲しい結末が待っていたなんて、思いもしなかった。
陽気に照らされた桜の木が僕には皮肉だった。
それから1年ほど経ち、僕は3年になり、ユカのこともいい思い出になっていた頃、小学校からの友達の康夫からメールが入った。
内容は、「小学校時代の同窓会をするから参加して下さい」というものだった。
参加の返事を送ったとき、懐かしい菜摘のことは思い出さなかった。
思い出す必要がなかったのかも知れない。
当日、集合場所のお好み焼き屋に菜摘の姿があった。
驚くと同時に、6年前の電話を思い出した。
また、菜摘はまったく変わっていなかった。
だから余計にお互いぎこちなかった。
菜摘とはあまりしゃべることができず、いつもの仲間としゃべっていた。
本当は「連絡しなくてごめん」と言いたかったのだが。
店を出て、公園の砂場に行ったときも、同じ仲間としゃべっていた。
しかし解散となったとき、
男子がそれぞれ女子を送っていくことになり、僕は菜摘をバス停まで送ることになった。
半強制的に二人きりの状況におかれると、かえってさっきまでのぎこちなさがなくなり、菜摘と僕はやっと普通に話をしながらバス停まで歩いた。
中学でできた友達や、小学校時代の思い出など、普通の話をした。
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