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キャラメル 上

西野
^11/14-00:08

いつの間にか
君のことが好きになっていた

何気ない生活の中で

まだ小学生だった僕はそんな不思議な気持ちになっていた


今思えばあれが初めて人を好きになったということだった

だから思いを伝えるなんて考えもしなかった

幼すぎたのだ

5年生のとき、君が私立の中学へ行くことを知った
そのための引っ越しもするらしい

それでも僕は気持ちを伝えずにいた

本当はもう君と会えなくなることを考えただけで泣きそうになっていたのに

とうとう卒業式の日が来てしまった。

君は誰よりも泣いていた

「卒業」の重みを一番分かっていたのだろう

そんな君をみると僕も君に会えなくなることを今になって実感した
どうして「好き」の一言が言えなかったのだろうか

自分に腹がたった


翌日、その思いはとうとう僕を動かした

親のいない家で電話連絡網の紙を取り、泣きそうになりながら君の家に電話をした
ただ言い忘れた「好き」という言葉を伝えるために

「もしもし。」
予想はしていたがお母さんが出た
「あ…もしもし、西野ですが菜摘さんいはりますか」
「ちょっと待ってね」
「もしもし」
「もしもし。急にごめんな。言いたいことがあって」
「?」
「おれ、お前のこと…好きやったんや」
「えっ……」
「…」
「…」
「…うん。それだけやし。」
「あっ、うん」
ガチャ。


数日後、手紙が届いた。
「電話ありがとう!よかったら私のアドレスと携帯番号です。」
嬉しかった。
今の僕ならすぐに電話していただろう

しかしあの時僕は携帯も持っておらず、始めた部活も忙しかったので、どうしようもなかった

家も知らない、電話もできない。それでも菜摘のことが好きだった。
2年の月日が流れ僕は携帯を持つようになった

引き出しの奥にしまった手紙を出して、そのアドレスにメールを送ってみたのだが、案の定駄目だった

僕は自分の愚かさと共に、この恋を諦めようと決心した。

追いかけても追いかけても掴めないものがあることを知った。

その数ヶ月後、僕に彼女ができた。
7ヶ月で別れることになるのだが、二人は本当に愛しあった。
同時に「愛」という曖昧でぼんやししたものに、少し形がついた気がした。


つづく

IDeB4XQLxgAhA
au
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[1]ななせ
^1/30-17:28
ここは小説書くとこぢゃないよ〜

IDNzOOVrpLMiY
W53T
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