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ありがとうって単純なこと

沙希
^10/19-22:44
高校2年の冬のはなし


私が優と付き合って5年たつ頃だった


中学の頃から
付き合ってて
同じ高校に無事進学


私は
バスケ部

優は
陸上部


ある朝のコト


友達から


『優 実佑と遊んでたらしいよ』って聞いた


その時は
何も言えなかった━━


優は
ひとりでアパートに
住んでいる


お父さんとお母さんが
離婚し
お兄ちゃんと優は
お母さんに
ついて行ったらしい


けど
お母さんは事故で
他界した


私はその時のことを
よく覚えてる


小学校3年だった


お葬式のとき
私は
優の泣き顔を
初めてみた


私も泣いた


家が近所で
よく遊びに行っては
優のおばちゃんと
いろんな話をした


いろんなこと
教えてもらった


私の両親は
共働きだったから


もうひとりの親みたいな存在だった


それなのに....


それなのに
仕事に行ってから
もう
帰ってくることは
なかった


交通事故だった


……
その話を聞いて
私はお母さんと
すぐに病院にいったが
遅かった


私は
ありがとう
言えなかった


悔しくて
なんでだろうって


信じられなかった


きっとそれ以上に
優は
悲しんでたんだろうって思った


今思ったら
優 明るく振る舞ってたんだと思う


その後
お兄ちゃんは祖父母に


優は
親戚の家に


親戚の家が
嫌になったらしくって


高校から
ひとりでアパート


付き合う前も
よく遊んでて


付き合ってからも
いっぱい楽しい
思い出つくった


優は
小学生以来
あっていない
お兄ちゃんずっと捜してた


『はやくあえたらいいね』


かけがえのない家族
たったひとりのね


そのために
がんばってた


そうだよね


家族...
何気なく接してる
その日々こそ
あなたにとっては
夢みたいなんだね


私は
その優の大切な
家族に
なりたかった


なのにどうして


実佑は確かに
かわいい


優も
かっこいいし
クラスの中心人物


でもどうして...?


私は優に聞いた


優は
『遊んでねーよ 一緒に話てただけじゃん』


腹立つ


度々ムカつくことあって

私よりも実佑といた時の方が
楽しそうだった


そんなある日
優の陸上部の
一樹先輩に
呼ばれて


河原に行った


夜中に


優は
殴られてた


なんでなのか聞いたら
大会前なのに
練習来なかったらしい


理由は
何度聞いても言わなかったらしい


これは先輩にとっての
引退試合


大切な試合


結局
大会は無事終わったんだけど


先輩は怒って
優を呼び出したらしい


本当に怖かった


でも私は
優にちょっとは反省してほしいと思った


私との約束破ってばっかで...


正直
もう終わりだな
と思ってたころだった


だから
私は先輩を止めなかった

先輩は
私のこの気持ち
知ってるから
だから呼んだんだ


私はその先輩とは
よく話していた


最近は優のことが
多かった


優は
何も抵抗せずに
ただすみませんって言って


首を締められて
苦しそうだった


だんだん見てられなくなった


『さき帰ります』って言って家帰った


『沙希...』
って私の名前
呼ばれたような気がして

家帰って2時間たったぐらいに


気になって
河原に戻った


先輩はもういなくて


優は
柱にもたれかかって
ぼーっとしてた


私は
『優のバカっ!!』
って言った


優は私に気付くと


小さい声で
『ごめん...』
って言った


とにかく寒かった


なぜか
悔しくなった


なんでかなんて
分かんない


けど
私は
優をぎゅっとした


優は
『指輪無くしちゃったんだ 俺探してたんだけど無くって ごめん』


『俺さあ 親に捨てられたし 先輩も友達にも捨てられたんだよ... 俺 たまに死にたいって 思うんだよね... 俺なんか 生きてて意味ないし』


って言った


優の嫌な噂
いっぱい聞くんだから


クラスで
嫌なこと


部活で
嫌なこと


どうして
なんでもひとりで
抱え込むの?


どうして
優っていつも
ひとりぼっちなの?


私にいいなよ
相談してよ





最後に
『はやく帰れよ』
っていって
私の腕振りほどいて
どこか行ってしまった


優の体冷たかった


寒かったんだね


こんな真冬に


服がボロボロなるまで
お揃いで買ってくれた
指輪捜してたんだね


馬鹿だよ


優に出会えて
本当によかったんだよ


ねえ?


それから
数日後
一樹先輩から
電話


『優が... バイクで...』


雑音で
あんまりよく聞こえなかった


なんとか場所聞いて
すぐ向かった


近くの大きい交差点


人いっぱいだ


私は人ごみの中
入りこんだ


そこで見たのは


血だらけの優


そこからは
よく覚えてない


気がついたら
救急車の中にいた


嫌な記憶がよみがえる..

優の
おばちゃんみたいだ


酸素マスクつけて
点滴されてた


鼓動


生きてる証が
聞こえるような気がした━━


『優...』


ずっと手を握ってた


優は
小さい声で

『沙希 幸せになってね 今まで... ごめんね 智にありがとうって..』


消えそうな声だった


優の鼓動は消えた


わかったよ
言っとくから


ねえ
どこに行ったの


後で優の親友だった智くんに聞いた


優が
部活いかなかったのは
働いてたから


生活
苦しくなって


寝る間も惜しんで
働いてたんだって


体調壊して


病院行く途中だったって


それよりも
なによりも


私に
先輩に


心配かけたくないって
智くんにしか
言わなかったんだって


優が実祐と遊んでたってゆうのは


私の誕生日プレゼント
一緒に考えてたんだって


私にね
かわいい
ネクレス買ってくれたの


お金足りないくせに


『俺 センスないから 実佑 選んでよ』


だって


馬鹿だよね


誤解しちゃったよ


ごめんね


優 大好き


今はもう
いないのね


どこ行ったの


私をもう一回
ぎゅっとして


優のお葬式
いろんな人来てたよ


私は
優を小さいころから
知ってるけど


私の知らない人


いっぱいいたよ


『優哉兄ちゃん』
『優クン』
『優ちゃん』
『優哉』
『優...』


あなたの
この17年間がみんなに
なにかしら影響を与え
こうして
あなたのことを
思ってる人
いっぱいいるんだよ


悲しんでる人が
いっぱいいるんだよ


前に
『俺 親に捨てられたやつだから』
っていってたけど
そんなことないよ


家族いなくったって
それ以上のものを
優は
つくってこれたんだよ


優へ

お母さんに
会えましたか?

優のお葬式にね
いっぱいいろんな人
悲しんでたよ

あなたのために
たくさんの人きてくれたよ

クラスの男子
謝ってたよ

優の先輩
謝ってたよ

悪いことしたって

私も
謝りたい

待ってて下さい


優の分まで
生きるから

私が優に
今から出来ること

やっと分かった

一生懸命生きる

それから
幸せになるよ
ID1xjEaR4qi3A
F705i
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