ありがとう
つねゆき
^3/29-16:38
『ありがとう』
これが最後の言葉だった。
俺とAが出会ったのは、高校に入学した時だった。
入学したてで友達も居なくて学校に馴染めていない時Aは俺に話しかけてきて,アドレスを聞いてきてくれた。ビックリした反面嬉しかった。
学校終わった後すぐにメールした。
他にもアドレスを聞かれた子ともメールしていたが、Aとのメールが一番楽しかった。
他の子とは2日ぐらいでメールが終わったが、Aとはずっと続いた。
話もかなり合っていた。
メールしていていつの間にか俺はAが気になっていた。
それから数ヶ月後にAに告白をした。7月12日それが俺らの始りだった。
最初の2ヵ月はまったく話せなかった。
手紙交換やメールなどもしていた。けど直接は話せなかった。
いつまでもそのままではいけないので、俺はAを遊びに誘った。
最初から2人だと無理だから、俺の友達1人と彼女も友達1人を誘って4人で遊んだ。
最初1,2時間は話せなかったが、徐々に話せるようになった。
そして夜遅い事もあり,Aがうちに泊まる事になった。
そしてその日初めてのキスをした。
その日から2人の距離は嘘のように近くなり、毎日のように遊お互いの家に行ったり,お互いの兄弟とご飯を食べに行ったり,夏には祭りに行ったり,花火したり,見に行ったりで毎日が幸せだった。
それから幸せな日々は続かなかった。
毎日喧嘩の日々で別れた事もあった。
俺が浮気をして別れた事もあった。
何回も裏切って何回も別れて付き合ってって言うのを繰り返した。
そのたびにいつもAを傷つけていた。
でもAはいつもいつも
『最後だからね?信じてるからね』と言ってこんな俺を許してくれて,前みたいにすぐ仲良くしてくれた。こんな俺をいつも許してくれて,優しくしてくれた。
だから今回こそは最後と俺は約束をした。
何回か喧嘩もあったが仲良くやっていた。
Aの家に泊まりに行ったり,ご飯を食べに行ったり。
今日はいつもどうり遊ぶ約束をしていたが俺が具合いが悪いからという事で、Aがうちに遊びに来る事になった。
昼間は女友達と遊ぶ約束をしていたらしく夕方うちにくる予定だった。
今から行くね!ってメールがきたのが五時すぎだった。
俺はサプライズでプレゼントを用意して楽しみに待っていた。そしたら一時間ぐらいでくるはずの彼女が何時になっても来なかったの。心配になった俺は何回も電話をかけた。でもいくらするとそれから十分後 ぐらいに折り返し彼女から連絡がきた。俺はすぐ『何してんの?大丈夫?』と聞いたそしたらいつもと違う声で震えた声で『Aの母です。Aはあなたのうちに向かってる途中交通事故に合いいま〇〇病院にいます。』俺はその瞬間頭が真っ白になった。そんな事信じたくなかった。
しかしいつの間にか足は病院に向かっていた。
病院について俺の前にはベットに寝てたくさんの機械をつけたAがいた。
その瞬間事故を実感した俺はひざまづき涙が止まらなかった。自分を責めていた。
Aは頭を強打していて容態は最悪だった。
すると後ろからAの父親がきて,『お前のせいだ』と言っておもいっきり殴られた。
それから『帰ってくれ』と言われた。何回も拒否ったが帰らされる事になった。
帰りの事は覚えていない。けど涙が止まらなかったのは確かだ。
それから俺は寝れるはずがなかった。
学校休んで病院に行こうとしたが俺の親が厳しい事もあり学校に行くしかなかった。
でもやっばり学校でも頭から離れるはずがなく、自然に病院に向かっていた。
昨日と変わらずAは寝たままだ。
病室に入れるようになり、俺はAのそばにいった。
また涙がずっと手を握っていた。
3〇分しか居られないのもあり病室を出た。
いつも以上に3〇分が短く感じた。
ずっと病室の外からガラス越しで見ていて、Aの父親が来たため病院を後にした。するとAの携帯からメールが来た。Aの母親だ。
『Aの意識が戻りました。Aが会いたいと言ってるので、今日は夜遅いから明日来て下さい』という内容だった嬉しくてたまらなかった…
次の日俺は親に嘘をつき学校を休み,すぐさま病院にかけつけた。
Aの前では絶対に泣かないと決めていた。
すぐに病室に行き,Aのそばに行って,手を握ったするとAは苦しいのに涙を流しながら、『ごめんね』と言ってきた。泣かないと決めていたが涙がまた止まらなくなった。
今日もあまり病室に入れないため病院をあとにした。
するとまたAの携帯からメールがきた。嫌な予感がしたがメールみた『今すぐ病院にきて』
俺はすぐ向ったすると数時間前の状況とはま逆で病室ないが医師でドタバタしていた。
Aの容態が急変したらしい。
少したってから病室に入れたAは少し意識があった。
手を握りながら、ずっと頑張れと言う事しかできなかった。
それから数分後Aは息を詰まらせ涙を流しながら『ありがとう』と言って息をひきとった。
7月12日午後9時2分。
ちょうど2年記念日の日だった。
信じられなかった。
とにかく俺は泣きまくった。涙がでなくなるほど泣いた。
家に線香をあげに行くと、Aのお母さんから紙袋を預かった。中身はAが買っていた記念日に渡そうとしていたペアリングだった。
事故に合う日の午前中Aは友達とペアリングを買うために出かけていたらしい。
両親の前とか関係なしに泣きまくった。
数日後葬式の日今まで見た事のないような人数の葬式だった。
友達,後輩,先輩,先輩,たくさんきていた。
Aの写真はとてもいい笑顔だった。
次の日告別式。
Aが位牌となる時だ。
数時間後皆集まり白い入れ物に骨を入れた。
本当はいけないが俺はわがままを言ってペアリングと今までとってきたプリクラを入れた。
それから毎日Aの家に線香をあげに行った。
1ヵ月後お墓に位牌が入れられた。
それからも毎日線香をあげに行った。
Aが亡くなって5年たった今数人に告白されたりしたが、もう好きな人を失いたくない。
Aは亡くなっても隣りにいる事を信じていつまでも誰とも付き合おうとは思わなかった。
てか怖かった。
今だに携帯のAとのメールのやりとりは残っている。
今でもお墓は毎日通っている。
もちろん右手にはペアリングをしている。外す事は一生ないだろう。
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