君。
りょう
^4/5-05:45
君は死んだね。
まるで俺に追い打ちをかけるように。
「自殺する人なんてバカだよ」
そう言っておきながら
「今この窓から飛び降りたら気持ちいいかなぁ?」
「ねぇ、一番楽な死に方って何だと思う?」
そんなことを言っていたお前の心の奥に、
どうして俺は気付いてやれなかったんだろう。
笑いながらそんなこと言うもんだから、
俺、冗談と思ってたよ。
冗談だったらよかったのにね。
涙で目をお互い真っ赤にしながら、ケンカしたあの日。
お前が最後に俺に言った言葉は、
「なんであたし生まれてきたんだろう・・・」
だった。
そのあと走り去ったお前。雨が降っていた。
俺は迷っていた。傘を持って、お前の所へ走って、謝ろうかと。
だけど変な意地を張っていた俺は、とうとう行かなかった。
あとで本当に後悔するとも知らずに。
君は死んだね。
誰にも心を開けなかったまま。
君は死んだね。
自ら首を吊って。
君は死んだね。
自分の部屋で、静かに。
頭の中でよみがえる、お前との思い出。
二度とお前と手をつなげない。
二度とお前とケンカすら出来ない。
「君」。
「お前」だなんて荒っぽく呼んでいたからいけなかったのか。
そんなことが理由じゃないとはわかっているけど、
優しく呼ぶ。
「君」。
ラジオから聴き慣れない音楽が聴こえてくる。
すごく切ない曲だった。
なぁ、君は俺と過ごして幸せだったか?
俺の彼女として死んでよかったのか?
気持ちと曲が重なり合って、こらえていた涙が溢れだした。
なぁ、君。
待っててくれ。
もし天国があるのなら、俺は果てた時、必ず君のもとに行き聞く。
「ごめんな。俺と一緒に生きて幸せだったか?」
と。
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