圭介って友達がいた。
俺の親友だ。
何をするにも一緒だった。周りから見たら気持ち悪いくらい…一緒だった。
喧嘩もした。殴られた事もあったよな。
けど殴られてもそんな簡単に崩れてしまう関係じゃない。次の日には腫れた顔を見て笑っていた。
俺は心の中を全て話せる友達だった。
けどもう存在しない。
圭介は病気だった……
俺は亡くなる1年前から知っていた。
そして圭介は2年前から知っていた。
5年も10年も生きられる病気じゃなかった。
自分のように俺は悔しくて…。
こいつが死ぬ訳ない。
目の前でめちゃくちゃ笑っている圭介。
それを見て一緒になって笑っている俺…
お互いに病気の事に触れる事は一度としてなかった。
お互い知っている…圭介の病気の事…。
それなのに俺らいつも笑っていた。
それは二人でいる時は病気の事を忘れていたからだと思う。
こんなんでいいのか…。って思う時もあった。
けど二人で会うのは生活の一部みたいになっていたから当たり前のように二人で遊んでいた。
病気を知ってたから半年くらい経った頃だった…。俺は圭介のうちに遊びに行った時の事。
圭介は風呂入ってくると言った。
一人でたばこを吸っている時何か机から気配を感じた。霊感とか全く持っていない俺がなぜか…。
開けると封筒が入っていた。
3通…。
一つに俺の名前が記されていた。
何も考えず開けてしまった。
遺言……。
立っていた俺は全身の血が爪先にいくような感じで崩れた。
『けんごへ…
お前って本当バカだよな。まぁ負けじと俺もだけど。でも楽しかったよな。つーかありがとな!
なんかさ、色々あったけど最高の友達だよ。
これをお前が読んでる頃には俺はバイバイって事かな。
まさか泣いてるんじゃねぇよな!?
俺はお前が泣いてる所なんか見たくねぇよ!
気持ちわりぃもん!
笑って送ってくれよ!
俺は笑ってるからよ!
けんご…
マジでマジでありがとう…。心から感謝してます。
出会えてよかった…。
遊べて嬉しかった。
笑いすぎて腹筋が痛くなっちゃった時もあったな。
全てお前のお陰だよ。
ありがとう。
お前頑張れよ!
俺が見守っててやる!
けんご…死ぬ事を知ってるってめちゃめちゃ辛いんだよ。
でもな…俺、お前と居た時はなんか忘れてたなぁ…。死ぬって事…。
お前は体に気を付けて、俺の分まで頼む!
ありがとうけんご…
そしてさよなら…。
また遊ぼうな…。
圭介より…』
泣くしか出来なかった。
慌てて元の場所にしまった。
そこへ帰ってきた圭介。
泣いてる俺を見て悟ったのだろう…。
『お前まさか…』
ごめん…。
『そっか。読んじまったならしょうがないよな。持って帰れよ。大事にしてな』
あいつの前で始めて泣いた。涙を止めようとしても止まらなかった。
そっと俺の肩を抱いた。
『けんご…お前ももう知ってるように俺はこんな事を書く状況まで追い込まれてる。
怖ぇよ…怖くて仕方ねぇよ。でもお前といる時は忘れられるんだ。頼む。俺はお前の悲しむ姿は見たくない。最後まで俺と笑っててくれねぇか…』
俺は声にならなかった。
首を縦に振る事しか…。
それから半年あいつは亡くなった。
俺の大事な大事な友達。
ネタ見たいだけど本当の話し。
俺は約束通り泣かないで最後まで笑った。
そして葬儀が終わって家で遺言を見てまた大泣きした。
『じゃあな…圭介…』
俺は一人で声を振り絞って部屋で独り言った。
その遺言は涙でくしゃくしゃになっていた…。
とても泣けました…
けんごさんは本当に圭介さんが大好きだったんですね。凄く素敵なことだと思います。
いつか私も けんごさんと圭介さんの様な心の底から お互いを信頼し合えて お互いを思いやれる関係になれる人と出逢えると良いなと思いました。
チョョなげぇ( ̄□ ̄;)!!
よかったよ!がんばれよ!
読んでくれてる人に本当感謝します。
こんなにたくさんの票を見て自分でもびっくりしています。
批判も賛同もあるのは承知です。
ただたくさんの人が感じた想いを聞いてみたいと思っています。
なんでもかまいません一言もらえると嬉しいです。
十人十色です。
批判でもかまいません。
これは僕自身の死に対する答えだと考えています。
甘くない人の人生というものを皆さんはどう感じるでしょうか。
何があっても失ってはいけないものが必ずあるはず…
それでも失ってしまう事はある…。
それが人生というものなのでしょうか…。
それで強くなれるなら困らない…。
強くなんてなれない…
別れの数強くなれるなら、俺は強くなんてなりたくない。
それなら受け入れる勇気がほしい。
今もまだ圭介の死は受け入れられない。
だから…
だから…俺はこうして文にしてみた…。
死ぬってなに…。
どこへ行くの…。
死んだ細胞は生き返らせる事はできないの…。
答えなんてない。
いらないよ…。
人間は皆遅かれ早かれ死は避けられない。でも死を寂しく、悲しく感じてくれる人が居れば、生きた証になります。私の主人も亡くなって13年になります。でも未だにに主人の友人が月命日にタバコを持って主人に会いに来て下さいます。その姿を見る度々に主人の友情の深さに頭が下がります。