あたしには、昔、本当のお兄ちゃんじゃないお兄ちゃんがいた。そのお兄ちゃんは隆幸(たかゆき)と言う名前で僕(私はいつもこういってた)は、たか兄ちゃんと呼んでいた。
年上だけどとっても仲良くてお兄ちゃんがほしかった僕にはぴったりだった。
僕は、昔ひどいいじめにあっていた。小学校5年の時にリストカットを覚えた。そして、やった。すごく痛かった。
次の日、たか兄ちゃんに見つかりおもいっきり、ほっぺたをたたかれた。
『バカかおまえは!そんな奴らに負けんのか?なんで相談しなかったんだよ!』と言われた。
おもいっきり他人の人なのに、怒られた。その時はびっくりして何もできなかった。
それから1年くらい?たったころ、たか兄ちゃんの友達ゆう君に呼び出されて、『まーちゃん・・・隆幸死んじゃった・・・』と言われた。最初は嘘だと思ったが、ゆう君がすごい勢いで泣いてたから、本当に死んでしまったんだと思った。死因は交通事故。とびだした子供とともに死んでしまった。本当に優しい人って言うか、お人好し。 その夜、またリストカットをした。
ゆう君がたか兄ちゃんの事話してくれた。
『あのな、隆幸、病気だったんだ。俺もつい最近、知ったんだけどね、癌ってわかるか?あんまり治らなかったんだって。あいつ、癌で死ぬくらいならって思って、守ったんじゃないかな?って俺は、思うよ。だからあいつの分俺らが生きなきゃいけないんだよ』 僕は聞きながら泣いた。座り込んで、声をあげて。
これからは、部屋にあるたか兄ちゃんの写真にがんばるよっと笑いかけると元気がもらえそうな気がする。
ありがとう・・・たか兄ちゃん・・・ありがとう・・・これからは僕と生きてこうね!